最近、アラビック系の男の子とよく話をするのだが、なんだか元気がない。
そこで、「最近、元気ないでしょ?なんかあったの?」と聞いてみた。
「ガールフレンドのことで、結構大変でさ。」
彼女とけんかでもしたのかと思いきや、
「
僕、ガールフレンドいっぱいいるからさ、うまくいかなくって」
地獄へ落ちろ、と思った。
が、この感覚は日本人の私だから得るものなのだ。
彼の国は、イスラム教の国。
お酒を飲むことの許されない宗教の国で育っている。
そして、一夫多妻制の国なのだ。
そう、ガールフレンドが何人もいようと、奥さんが何人いようと、
彼の国では裏切りでもなんでもない。普通のことなのだ。
多くの日本人は宗教を持たず、日本人としての価値観を持ち、生活している。
だから、結婚したりお付き合いしている人が他の人に目移りすれば浮気だと言うし、
裏切りだとも言う。
しかし、彼にとってこんな話はきっとありえないのであろう。
私たちが、今までお酒を一回も飲んだことがないなんてありえない、と思うのと一緒で。
私は、黙って話を聞き、「そっか、いろいろ悩みはみんなあるよね」と
どうしようもない言葉しか返せなかった。
彼は非常にいい人である。
人を批判したりしないし、ポライトに話し合いのできる頭のいい人である。
ガールフレンドがたくさんいるのも納得なのである。
日本人のガールフレンドもいるそうだ。
何が悪いわけでも誰が悪いわけでもない、
でも、彼と同じような環境が少ないこの世界では偏見や誤解を免れるのは難しいだろう。
ロンドンにいると、世界の広さを実感する。
おんなじ人間なのに、おんなじ星に生まれたのに、言葉も環境も違って、
理解するのが大変な内容がたくさん生まれている。
自分ひとりではどうにもならないことを、批判や攻撃をしてしまうから
きっと戦争も起こるんだろうな。
やっぱり、宗教や文化って難しいね。